2016年03月19日

記事の感想

20160222 朝日新聞
「チャン覚醒 逆転V」フィギュア四大陸選手権男子フリー
”1年間の休養明けだった今季。調子に乗り切れなかった元世界王者が、ついに目覚めた。"

えっ? GPシリーズ初戦カナダ大会フリーでもノーミスで、今季、羽生に勝っていますけど。
GPFでもフリーは良かった。今季、ショートがずっと悪いのです。大新聞さん、頼みますよ。
「チャン見せた、神髄の滑り」という見出しはどうでしょう。

201601 Number no. 892
「スポーツを数字で読む 羽生の演技構成点」文・小川勝

羽生結弦322.40が素晴らしく誇らしいのは、わかるけど、数字で読むなら、どうして比較に出てくるのが、女子のバンクーバー五輪キム・ヨナとソチ五輪ソトニコワなんだよ。バンクーバー五輪の頃は、さほどつなぎをいっぱい入れるとか言われてなかったし、むしろジャンプに向かうスピードが評価されていたと思う。
コラムの最後は、”東洋の文化をテーマにしたフリーで記録したこと。フィギュアスケートの歴史上、東洋の選手として意味のあることだった。”と結んでいる。
五輪シーズンでは荒川さんも高橋くんも西洋の音楽を使っただろう。羽生くんも平昌では、日本を強調した音楽を使わないだろう。が、世界選手権では、キム・ヨナの「オマージュ・トウ・コリア」や、無良くんの「Shogun」があるのに。。



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2015年03月26日

チーム・ブライアン

「チーム・ブライアン」 講談社 2014.11
この本は日本向けに出版された本で、ベストセラーにもなっているらしい。
オーサーも認めているとおり、ヨナも羽生君も、トロントに行く前からジャンプの質が素晴らしく、五輪で金メダルを獲れる素質があった。質=成功率の高さだと思う。それでも二人は、アジアに留まっていないでクリケットクラブに行ってよかったのは、洗練されたところなんじゃないかな。


”(ユナ・キム)は、ダイアモンド。プレシャス・ダイアモンド” byオーサー

https://www.youtube.com/watch?v=_DmWL4k_sSk 
↑この動画は、2009年世界選手権後のオーサー氏のインタビューだと思われるけど、40分以上よくしゃべる男である。
冒頭、ヨナについて「チームのスタッフやファンに対して、礼儀正しく優しい。でもオーサーが好きなところはユーモアのセンスがあって、funnyおもしろいところ」と語っているようです。
「プッシュしていて楽しい選手だった。*1」「彼女は練習に来るのが大好きだし、私も仕事に行くのが楽しい。*2」とも日本の雑誌に書かれてました。

ヨナのことを父親のように愛していたブライアン。バンクーバー五輪後に、突然別れを告げられてショックだったのでしょう。ヨナの方は、理由を語っていないのでわかりません。しかしコーチを突然、やめさせたり、変更したり、断られたり、なんてことは、他のフィギュアスケートの選手でもよくあること。コーチとしては新米だったオーサーは、もっとビジネスライクに接することを学んだでしょうか。

第1章では、オーサー自身のオリンピック経験が述べられている。今、日本ではフィギュアスケートが超人気。他の国の大会では閑古鳥でも、日本では世界一の観客動員数を誇る。昔は北米でも人気が過熱していたらしく、オリンピックシーズンになると、寝ても覚めてもオリンピックのことばかり、ガソリンスタンドに行くと、オリンピックの記念グラスをもらえて、オーサーも集めていたとか。
第3章のフェルナンデス選手についての記述は、思わず笑ってしまう。スペイン人らしく時間にルーズで、おおらかなところ。まじめな性格の日本人羽生君と、相性が合うのでしょう。
ヨナがいる時は、アダム・リッポン*3やクリスティーナ・ガオ*4がチームメイトでした。

今季、羽生君のプログラムは、ショート、フリーとも魅力的です。そしてスケーティングも、カナダに渡って3年目、成果が目に見えて出てきたように思います。なんというか、重低音が鳴り響いているような、途切れない滑り。
コンパルソリー時代に培ったオーサーのグライティングレッスンで指導する姿は、なかなかかっこいい。
羽生君が、2012年に語っていたのは、
「前に行くときも、うしろに行くときも、肩と腕はまっすぐに」(オーサー指導)
「疲れてくると歩幅が狭くなる。どうしても早く漕ぎたくなる。今まで4歩だったのが3歩。楽になる。歩数がだんだん減ることによって、無駄な力がなくなる。スケーティングがよくなると、滑らかに、スピード感のあるジャンプが跳べる」*5
「ハビエルは、あれはブライアン・オーサーの所の滑りって感じで。やっぱり上半身と下半身が一体になった流れがあります。」*6

*1「ワールド・フィギュアスケート」2012-2013シーズンガイド 
*2「ワールド・フィギュアスケート」no. 40, Nov. 2009
*3 巻き毛の美少年は郷ひろみ路線になっていたな。ヨナについては「キム・ヨナはすごいスケーターですよ。とっても頑張り屋さんですごく練習するし、でも優しくてスイートな女の子。お互いいろいろ指摘し合ったりして、それが僕にとってはとても助けになりました。彼女の助けにもなってるといいなって思います」
(「フィギュアスケートdays plus 2009-2010男子シングル読本」より)
*4「彼女(ヨナ)がプレッシャーの下にいたのを皆が知らないことも私はよく知っている。オリンピックで彼女がやったことがどんなに素晴らしかったか。彼女はリンクのまわりで他のスケーターのように同じだった。ビッグスターだけど、そのようにふるまわないです。icenetwork 20100629
*5 報道ステーション201210
*6「ワールド・フィギュアスケート」no.51, Jan.2012
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2014年04月24日

雑誌

「Number」
この雑誌は、昔はスポーツ全般を扱って、ボクシングや競馬などのスポーツも特集されていたのですが、何年か前からは、野球とサッカーだけが月替わりの特集になって、そこへフィギュアスケートも大きな大会のある時だけ割り込めるようになってきました。出版社が文藝春秋ですから、専門的なデータや知識に基づいて分析するというより、情緒的な文章で読ませるというのが特徴です。
佐野稔「勝ったのはソトニコワの方が難しいことをやっていたから」(849号)
ジャンプだけの基礎点でいえば、キム・ヨナとの差はわずか1.44。レイバックスピンの差は0.3
基礎点だけで比較したりするのはおかしい。ステップやスピンは予定していたレベルが下げられると基礎点も下がるが、ジャンプは減点されるアンダーローテやエッジエラーは基礎点に反映されない。ちなみにバンクーバー五輪の時はヨナがスコア上、基礎点1位でした。
ヨナはループを入れなかったので、3回転ジャンプを一つ損していた。同じ種類の3回転は2つまでというルールがあるので。そのかわりに減点なしの3ルッツ(3Aに次ぐ高い点)をショート、フリーで計3本入れられるのがヨナの強みです。

「ワールドフィギュアスケート」ソチ五輪特集号
岡部由紀子「(キム・ヨナの)つなぎの点が7.75〜9.25で割れたのは、クロスを多く挟んで加速する部分などを、ジャッジによってどう評価したか、と考えられます」
だったら、浅田選手も7.5〜9.25、コストナー選手も7.75〜9.0まで割れているのは、どういう評価ですか?
クロスにこじつけるところが、日本全体の負け惜しみか。
岡部さんの解説↓ あまりイイ印象ではなかった、最近はどうなんでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=JmlfUEuJV64
http://www.youtube.com/watch?v=uUy6MZEMLmA
SS(スケーティングスキル)の項目ではヨナが1番が高くて、音楽解釈ではコストナーが1番高い点だった。
ボレロの妙味はバレエのものだと比べなければ、ステップのところが高まる音楽とコストナー選手ならではの雄大なスケーティングとマッチしてかっこよかったです。ところどころ笑顔のボレロでした。
ソチの結果(順位)にこだわらず、表彰台に上がった3人は、ほぼノーミスで、ジャンプは勢いよく大きく飛んでいたし、表現もそれぞれ良かったのでメダリストにふさわしい演技だったと思う。

「International Figure Skating」April 2014
表紙は金メダリストの羽生選手です。
巻頭ページは”Farewell to a Great Champion"
yunaarticle.JPG
"キムのフィギュアスケートへの貢献は控えめにいうことができない。彼女の勝利を別にしても、リンクの内外で彼女のエレガンスとグレースは、世界中の無数のファンにこのスポーツを夢中になるように、数えきれない少女たちにオリンピックチャンピオンになるのを夢見るように鼓舞させた。キムの存在は惜しまれるだろう。”

どこの国でも自国の選手をほめるのは当然だろうし、外国の選手やコーチが、インタビューを受ける国のメディアに多少リップサービスも入っているのかなと思われる場合もあるけれど、これはアメリカの雑誌でヨナファンにとってうれしいほめことばですね。
追記
タグ:キム・ヨナ
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2014年03月15日

本の感想

「浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく 〜フィギュアスケートの裏側」(生島淳著 2011.11)
タイトルからして選手に失礼な本。
著者はバンクーバー五輪女子ショートで、キム・ヨナ(78.50)と浅田真央(73.78)の点差が4.72で驚いたそうだが、では男子ショート高橋と織田の点差6.48(同じジャンプ構成ノーミス)は別に驚かなかったのか。
バンクーバー五輪の時は、日本のネットで(おもにマオタと嫌韓派)順位は妥当でも点が高すぎるからおかしい、不正があったと発狂したみたいに騒がれた。あの時はキムヨナがノーミスで、2位以下の人がミスしたから、文句なしの優勝。さらに全盛期のヨナはスピードのあるスケーティング、ジャンプの質、表現面で圧倒していた。ついでに書くと、五輪後の世界選手権のフリー、浅田選手は「ノーミスの演技をした上での点数を見たい」と言っていたが、ヨナが2Aと3Sの失敗はありながら、3LZ3Tなどの得点の高いジャンプを決めてPCSは上回ってフリーでは1位だった。2013年ワールドでコストナー選手と浅田選手なら、TESが浅田選手が上でPCSはコストナー選手が上。2010年ワールドは、総合で浅田選手が優勝したから良かったのでは。
私が採点のことで注文したいのは、回転不足と踏切違反の判定は公平に(地元の選手やアイコンの選手に甘くならない)、PCSのあり方についてもう少し明確にしてほしいことです。

世界のトップコレオグラフィーの紹介にディヴィッド・ウィルソンを入れていないところが著者はマオタっぽい。
動画で他のスケーターがヨナと話していたり、ヨナをほめていたりする部分だけ削られているものを見たことがある。なんとかコレクションに、「タイスの瞑想曲」のイナバウアーや、3F3Tを使わない。

最近のフィギュアスケート専門の雑誌や本も、売れないと困るから、キム・ヨナさんのことは、欠点といえないことを無理に取り上げて欠点として書いているように思う。反面、フィギュアスケートが不正のあるスポーツと思われては困るから褒めるところは褒めているといった印象です。海外の実況や記事はヨナ賞賛が多いので、それを現場で接している日本のフィギュアスケート関係者はさすがにおもしろくないのかもしれません。
「誰も語らなかった知って感じるフィギュアスケート観戦術」(荒川静香著 2013.12)
"ヨナは...ステップなどはあまり踏んでいないのでトランジションはあまり高い点数が出ません。”って、トランジションって皆、PCSの5項目の中で低いじゃないですか。’13ワールドフリー、女子で一番トランジションが高かったのは誰? ”苦手なジャンプの前ではスピードが落ちる”っていうのも? ルッツの前が速すぎるだけでフリップやサルコウも他の選手よりスピードがあると思うのだが。

出版界では「嫌中憎韓」の本が売れるらしい。(朝日新聞2014.2.11)
最近、図書館で「アンネの日記」被害がありましたが、フィギュアスケートの雑誌も気をつけてほしい。
インターネットの未来はどうなるか予測できないが、本は後世に残るものだから真実を書いてほしいと思うのですが、誰が何を書こうと一番の真実は演技の映像に残るでしょう。
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2011年06月22日

フィギュアスケート美のテクニック

フィギュアスケート美のテクニック
樋口豊監修, 太田由希奈モデル, 野口美恵企画・執筆
新書館, 2011.5

★ベーシックスキルを身につけるには
         [目指す美学]                 [身につける方法]
<スケーティング>ひと蹴りの伸び               ストローク
         落ちないスピード                クロススケーティング
         氷へのタッチ                  
         雄大さ
<エッジワーク> 正しいイン・アウトのエッジ         コンパルソリー
         深いエッジ
         加減速の巧みさ


PCSでスケーティングスキルとひとくくりにされているけれど、エッジワークと分かれている部分があるのですね。
浅田選手は、「男子顔負けのパワフルかつ多彩なエッジワークで、ストレートラインステップを披露できるエッジワークの女王だ」と書かれていました。
今季から片足ステップの要素が加えられましたが、長い距離のワンフットステップを見せていたのが、パトリック・チャン、ミハル・ブレジナ、浅田真央。マカロワ選手も長かった?
レベル判定で他の要素に力を入れる選手もありますが、エキシビションでまた片足ステップを披露してほしいですね。
本にも紹介されていたDavid Liuの美しいワンフットステップは、こちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=-c3ceRk1P0Y&feature=player_embedded#t=120


コンパルソリーでやっていることを活かした演技。典雅ですね。こういうのを誰かやってほしい。



スケートを見始めた頃は、ジャンプを転ばない人が1番と思ったこともあった。
今は、スケーティングの上手なチャンや小塚選手の演技がいいなと思う。
トリノオリンピックで荒川静香さんの演技に感動したけれど、キャンデロロが「米一杯の感動」と言ったり(後に謝罪)、プルシェンコも、スルツカヤに金メダルを取ってほしかったからか、金メダルの演技じゃないみたいなことを言ったと思う。それで大したことがなかったのかなと思わされたけれど、やっぱり今見ると、東洋人としてはスケーティングが伸びていて、表現力も素晴らしかったと思う。

「スケーティングは伸びに尽きる」
実際、スケートを見に行った時に思った。骨太の滑りと、痩せた滑り。
音楽の世界でもあります。クラシックの楽器で、演奏者によって深みのある音色と、痩せた貧弱な音。
別の言葉でいえば「力強くディープエッジの選手」と「軽やかでクリアーな滑りの選手」ということなんだろうか。

この本には、まさに「美のテクニック」について太田由希奈さんの美しいポジションの写真付きで詳細に解説された本です。勉強になります。
写真だけでなく動画も見られます。↓
http://www.shinshokan.co.jp/figure/binotechnique/
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2011年03月20日

ヨナちゃんの本

私は韓国語はさっぱりわからないのですが、キム・ヨナ選手の書いた本「7分のドラマ」やインタビューで語った言葉をファンの方が少しずつ訳して下さっています。↓
http://yu-napicvid.jugem.jp/?cid=10

その中から一部を紹介させていただきます。
深い言葉。たとえば、水が沸騰することにたとえて、99度までがんばっても、筋肉が炸裂しそうな瞬間や、息がきれそうな瞬間に、もういいだろうとやめてしまうと、ゼロになってしまうのと同じ、最後の1度を上げるための努力が重要という文章がある。
うーん、やはりトップアスリートの言葉は違う。私なんか50度くらいがんばっては休んで、みたいな生き方だから、何も成さないんだろうな^^;

はじめて国際大会に出た時の感想
「テレビではなく、すぐ私の目の前で、派手な技術を披露する選手たちと、歓呼する観衆たちを見ると、"ああ、すばらしい!"という考えが自然に生まれた。
そして胸の片隅で何かが、うごめき始めた。
 "私もこういう舞台に立ってみたい。"
 胸がドクンドクンと高鳴った。」

文章がうまいし、12歳の時の感動が伝わってくる。私が国語の先生なら、花丸をあげちゃう。

「マオはもう一人の私。人々は私たちにライバルという名前をつけたが、私たちはフィギュアスケーターという同じ道を進む人間である」
「良い演技ができたときと不本意な演技に終わったときの気持ちがどんなものか誰よりも私がわかっている
」(NHK番組訳)
もしかして韓国にもあるだろう浅田選手への反感を和らげるために書いたのかな。
2008GPF韓国で初の国際大会。観客のヨナへの歓声は凄まじかった。2009年にミニHPに、練習中に自分への声援がうるさいと他選手の邪魔になるから静かにしてほしいと書いてファンにお願いしたこともある。

ヨナさんは偽善的ではない。インタビューや記者会見では賢く上手に答えていますが、トーク番組や自分の書いた本、ブログなどで、本音の部分を周囲へ気遣いしながら上手に表現できる人だと思う。
「時々突然腹を立てた後、開き直ることもある。そうした点がやや短所に思えるが、すぐに直るから長所でもある(笑)。」
インタビューでちょっと意地悪な質問にも笑顔でちゃんと答えているし、そんな風に見えないが、
自分で思う短所も正直に書いていて人間的な魅力にひきつけられます。そういう所をアンチや悪意をもったメディアに上げ足をとられる場合もある。
純粋さゆえにしばし傷つけられやすいように思う。

「私は自分の性格が好き」
いいですねー。一般人だとちょっとうぬぼれが強いように思われて敬遠されるかもしれませんが、表現者やアスリートは、自己肯定が徹底していると思います。


ヨナちゃんはユニークなところもあるかもしれない。
CMの撮影どりで、疲れたりするからか、変顔の連発をしていた。さすが表情の訓練が活かされている?
ファンの集いで司会者から「かわいいですね、とよく言われるでしょ」と聞かれると、「普通だと思います」と言ったりしておもしろい子だなと思います。(動画で見ました)

ナンシー・ケリガンみたいに、表彰式で「いい加減にしてよ。どうせ出てきてまた泣くんだから」とかパレードで「バカバカしい」と発言したのがテレビカメラやマイクに捉えられるような決定的な出来事があれば、私も「この選手の演技は素晴らしいけど、ちょっと性格的には好きになれないわ」って思うかもしれない。
しかしアンチがどんなにヨナの性格が悪いとか枚挙にいとまがないほど出してきても、ヨナの書いた本や、ソース付きで紹介されているインタビューなどの聡明で純粋な言葉を知れば、低俗なことを言ったりしたりするわけがない。

田村明子さんは、フィギュアスケートの演技には人間性が表れると書いていた。
他のスポーツとは一線を画しています。歌手や役者、ダンサーに近いのかもしれない。

ヨナ本の日本語版はどうして出版されないのだろう。これだけ日本で注目されている選手なのに。ライバル国には知られたくない創作の秘密なんか書かれているのかな。それに何かにつけて悪意にとるアンチがいますしね。
いつかヨナが引退してからでもいいので、日本語訳を許可して出してほしい。

そして、いつの日かヨナが引退して、真央ヨナのライバル競争も終わったら、日本のアイスショーに呼んでほしいな。ヨナちゃんの演技もやっぱりいいねーという日本人がもっと増えるといいな。
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2010年10月15日

メダルと恋と秘密警察

メダルと恋と秘密警察 : ビットが明かす銀盤人生
カタリーナ・ビット著 畔上司訳
文藝春秋 1994年8月
Meine Jahre zwischen Pflicht und Kuer

カタリーナ・ビット。オリンピックを2連覇した偉大な選手。東独時代の秘密警察(シュタージ)にセックスが何時から始まって何時何分に終了みたいなことまで監視され、その記録は、全3千ページにのぼるという。20代後半になって、それを読んだビットは、自伝を書く決意をする。

「善き人のためのソナタ」というドイツ映画を見て、シュタージに脅されたりしていた話かと思ったが、そういう記述はないように思う。(ちゃんと読んでなくてすみません)監視されていた記録と実際は違うということをビットは書きたかったのかもしれない。
訳者のあとがきを読むと、
”華やかなスケート界の話や有名人との交友、恋愛もふんだんに語られている。こんなに書いちゃっていいの?とこちらが心配になるほど、彼女は書きまくっている。何だか、取り上げられた人が可哀想になってしまうほど赤裸々だ”
とあるのですが、あまり興味がなかったのでとばし読みしてしまった。

おもしろかったところは、
”サンドラ・ベジックとブライアン・ボイターノは、わたしみたいな東の人間に向かって「レディの脚に毛はないはず」と言う。わたしはレディじゃないし、それに脚の毛を剃るのは退廃的だと思う。” 
マネージャーからも「剃れ剃れ」と言われ、アメリカのホテルのバスルームで、ビットは安全かみそりで軽く剃ってみた。そしてすぐさま電話をした。「何したと思う、いま脚を剃ったのよ」
”すべすべの両脚、カタリーナ・ビットの西欧化の一歩”

リレハンメルオリンピックに復帰するにあたっての心境も綴られている。
”ジャンプ志向の傾向に反対であり、自分の二十八年間の経験から言って、フリーは、十六歳ではまだ表出できない物語でならないと確信している”
かつて金メダルを得た地、サラエボの平和を願った「花はどこへ行った」
結果は7位だったが、世界中の多くの人に感動を与えたそうです。
私はちょうどリレハンメルOPで見ているが、ビットが素晴らしい選手だと賞賛されていたのは覚えている。今、「花はどこへ行った」を見ると、反戦メッセージを歌った有名なメロディーは一部分で、確かに印象的であるが、全体的に見ると、「そんなにいいかな」って感じだ。おそらく、あのメロディと、平和を願うビット自身の劇的な半生があって人々に強い感動を与えたのでしょう。

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2010年09月30日

素直な心が才能を伸ばす

素直な心が才能を伸ばす! : だれでも結果は出せる
山田満知子著
青春出版社 2007年4月出版

この本を読むと真央ちゃんのことをベタ誉めでしたね。
「真央は、出会ったときから、欠点を探すのに苦労するほど、可愛らしい女の子でした。顔もスタイルも話し方も、すべてがチャーミング。技術的なことは完璧に近い上に、華やかさがあり、性格が素直で、私の言うことにもきちんと耳を傾けることを知っている。踊りも素晴らしい、体も柔軟性もあるし、ジャンプもそこそこある...。」
「気品に溢れ、芸術的でありながらパワーのある演技。これまでの日本人には到達できなかった境地に、彼女ほど近い選手はいないだろうと思います。」
「性格はとびきり素直でいい子」「何を言っても憎めないというか、ストレートにものを言っても意地悪に聞こえない人徳がある」
 
山田コーチの教え子で活躍した選手、伊藤みどり、小岩井久美子、恩田美栄、中野友加里、浅田舞、についてもそれぞれの長所、ちょっぴり短所も紹介されていましたが、真央ちゃんだけは、別格という感じがしました。伊藤みどりさんは、天才肌の選手だけに、気性も激しかったりして、「自然児」とも書かれていました。

目次にもあるように「愛される選手を育てたい」「成績よりも心が素直で」「礼儀正しさがリンクで光る」「上手くなるほど頭を下げる」「スケートリンクでも和が大切」ということを、競技以外のことで、指導されてきたことが書かれています。
確かにフィギュアスケートというスポーツは、他のスポーツみたいに、何点取ったからとか、1着になったからとか、相手を倒して勝つとかわかりやすいものがなくて、印象によって左右されるスポーツです。ジャッジは純粋に演技そのものを採点するでしょうが、観客の評価は選手の好感度によって、盲目的に賞賛したり、あるいはまったくダメになったりする場合があるので、あいまいなものだと思う。
それゆえ愛される選手になる、嫌われないようにするということは大事なのでしょう。

”「まっちゃんのところの子はみんなお行儀もいいし、ちゃんとしてる」うちの子どもたちはスケート連盟の方によく褒められますが、それは躾の成果。”とまで書かれてますが、 
安藤選手とか、鈴木選手とか、山田コーチが教えてない選手でも、みんなちゃんと礼儀正しくしてますよね。

伊藤みどりさんの話では、山田コーチは、自分の教え子の欠点も、他のコーチに聞いてみたりして、カッコつけたりするより選手の成長を何より願っているからだそうです。ライバル選手のこともちゃんとほめたりできる、気風のいい方だと思うので、好感が持てます。
今は、また村上佳菜子ちゃんが期待の星ですね。素晴らしい選手が続々、山田コーチのもとで誕生しています。

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2010年09月02日

銀盤のトレース

銀盤のトレース
碧野圭著
実業之日本社 2010年2月

これもジュニア向けの小説です。
前回、読んだ「クリスタル・エッジ」は、主人公をめぐる友達関係や、表現面で抒情的な描写がおもしろかったが、今回の本は、ジュニア向けと侮れない、技術面での詳しい描写が興味深いです。

主人公、朱里は、名古屋でフィギュアスケートを習っている小学6年生。

”ジャンプの中で一番、難しいとされるのは、唯一、前向きに踏み切るアクセル・ジャンプ。その次にルッツ、フリップ、サルコウ、トゥループの順とされている。得点も難しい順に上がっていく。しかし、選手はかならずしも難しいから苦手、というわけではない。彩音はルッツやフリップの方がむしろ得意で、サルコウよりも安定している。
「うーん、アクセルはそんなに難しいとは思わないよ。身体の使い方が自然だし。バスケのシュートに身体の使い方が似ている」
 空中に上がったとき、ぐっと上に引き上げる感じなどはちょっとそう思う。
「でも、前に踏み切るのは怖くない?」
「全然。私、怖いという感覚は鈍いのかも。むしろ視界がはっきりしてていいよ。混雑したリンクで練習するときは、とくにそう思わない?」”

こんな風にフィギュアスケート少女たちの会話が描かれています。
注目は、朱里が、元選手で大学教授の朝倉に、コンパルソリーを習う場面。やはりコンパルソリーって地味だけど、すべての基本で大事なんですね。
ルッツの練習をしている時に、「ジャンプより前に、エッジの使い方を練習した方がいいんじゃない」「インからアウトに倒すとき、無理に足首を横に倒しているでしょ。そうやっているうちは、ルッツはうまく跳べないよ」と注意される。

”朝倉という男は氷に右足で立つと、左足で強く氷を蹴った。右足のアウトエッジで氷の上に線を描いていくのだ。朝倉のあとに、滑らかな円の軌跡(トレース)が生まれ、それがすうっと伸びていく。アウトサイドエッジからインサイドエッジへ、自然に移っていく。
 そのトレースもさることながら、朝倉の姿勢の美しさに朱里は見とれた。力みなく、身体の軸がまっすぐになっている。スケート靴が氷に吸い付くように滑らかに動くので、スピードが落ちることもなく、上半身もほとんど揺れていない。”

コンパルソリーは、円の直径が身長の3倍になるように描いて、これを三周して、三本のトレースがどれくらい重なるか判定される。三本ともぴったり重なるってことはまずないが、全日本に出るような選手でも、3センチとか5センチのずれは出るが、パーフェクトに近づけようとみんな努力したらしい。

朱里も円を描こうとするが、”うまく描くことができない。軌道を修正しようとして足の裏に力を入れると、シャリシャリと氷が音を立てた”
朱里は、ジャンプの得意なところを見せようとしてアクセルを飛んで見せる。
朝倉は、”「近頃の選手は軸を細くして上に跳ぶタイプが多いけど、君のは飛距離があっていいね。それに膝と足首が柔らかいんだね。着氷がきれいだ」
「だけど、運動神経と筋力に頼ったジャンプだな。無駄な力を掛けすぎる」
「君はエッジの使い方がうまくない。エッジの一番いい位置にちゃんと乗らずに跳ぼうとしている。本当はそれじゃ、そんなに高くは跳べないはずだけど、脚力が君はよほど強いんだな。それに身体のひねりも強い」
「スケーティングがうまいってことは、エッジを自在に使いこなせるってことだ。本当にきれいなエッジで跳べば、余計な力がいらない。それに、ルッツやフリップはもちろん、ダブル・アクセルだってもっとラクに跳べるようになるし、失敗も減るはずだ」
「もともと名古屋ではあまり形にこだわらず、小さいうちにとにかくジャンプを跳ばせるという練習法が主流だからね。それでいいジャンパーが多く育っているのも事実だけど、本当に伸びる子はエッジの使い方もうまい子だよ。エッジの使い方をおざなりにして、我流でやっている子は、身体が大きくなったとき、対応できないことがある。」”

 名古屋出身の有名選手が多いのに、いいのか、こんな書き方をしてと思ったが、謝辞に愛知県のスケート事情に関して詳しく語っていただいた愛知県スケート連盟の○○○○さんと実名があったので、お墨付きなんですね。
まだジュニア以下の小学生に教えているお話なので、トップの選手は、この本に書かれているようなことはマスターしていると思うのですが、ちょっと気になるのは、モロゾフコーチの本にも、日本の選手のジャンプの特徴が指摘されていた。

”初めて大輔のジャンプを見たとき、私はびっくりした。見たこともない。不思議な跳び方をするのだ。じつはこれは多くの日本人スケーターに共通していて、どうやら日本式のジャンプの跳ばせ方らしい。しかし欧米の本来のフィギュアスケーターとはまったく理論が違うものだ。
具体的に言うと、日本はまっすぐな軌道で助走して、跳ぶ瞬間にエッジに乗る。欧米では左右どちらかのエッジに乗ってカーブの軌道で助走し、そのカーブを使って回転する。ただ3回転して降りるだけなら日本式でもできるが、よりスピードと飛距離のある質が高いジャンプを追求できるのは欧米式の跳び方だ。”

何か日本の選手の跳び方に問題があるんだろうか。
五輪で高橋選手の3Aを見た時は、きれいに流れていたと思うし、浅田選手の3Aも軌道を描いてジャンプに入っていたと思う。
 ジュニア以下の選手は、最近の加点傾向がわかってきているから、ジャンプの教え方、跳び方も変わってきているかもしれない。ジャンプの時に、軌道とエッジに注目してみたい。

”「それから、君はスピードを出そうとして、氷に着いている足とは反対の足のトゥで氷を何度も蹴るだろう?あれは止めた方がいいよ。みっともない」
俗にいう”漕ぐ”というやつだ。”
 ああ、村上佳菜子ちゃんがたまにやるやつかな。佳菜子ちゃんは、スピードがあるんだけど、この癖が直っているといいな。

物語の中で「勝ちぬき耐久レース」というのがある。
リンク100周、3時間滑りっぱなしというのに、朱里たちは挑戦する。
”リンクの半周はフォアに滑り、半周はバックになる。フォアの時は左右のアウトサイドエッジ、インサイドエッジに順番に乗って曲線をつなげるように滑り、バックの時はバッククロスというやり方で、足を左右に交差させながら滑る。速く滑るというより、これはスケーティングの練習なのである。”
一番最後まで滑ることができた人には、チョコレートパフェ・スペシャルを先生から御馳走してもらえる。確か安藤選手のエピソードで、こういう話を聞いたことがあります。

 一人の母親が、自分の娘がバッチテストに落ちたことに腹を立てて、先生に文句を言って、お楽しみ会をつぶそうとするシーンがありました。
先生は、勝ち負けより、スケートを滑る楽しさを味わってほしいと説明するのに、この母親は、「うまくなって試合に勝ったり、バッジテストに合格すれば、誰だって楽しい気持ちになります」と、他の親たちにも扇動するように話す。
今頃、はやりのモンスターペアレントですね。自分の娘が1番じゃないとおかしいと騒いだり、勝ち負けにこだわって、スケートの楽しみ方を忘れている母親が描かれていました。

この本は、子どもたちに、インターネットの情報にだまされず、本を読んで判断の目を養ってほしい狙いがあるのかもしれません。本に書いていることがすべて正しいとは限らないけれど、少なくとも出版社や著者に問い合わせることができるし、ずっと残るものなので、いいかげんなことは書いていないと思う。
もっともフィギュアスケートを見たことのない人には、何もおもしろくない物語だと思うけど。
フィギュアスケート人気は、昔より高まっていると思うけど、他のスポーツのように、学校にあるクラブじゃないから、実際、フィギュアスケートを経験する人が少ないという面があり、まだまだメジャーなスポーツになりきれていない。
でも真央ちゃんに憧れ、佳菜子ちゃんに続けと、フィギュアスケートを習う子どもが増えれば、私の楽しみも老後まで続くのだわ^^
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2010年09月01日

クリスタルエッジ

クリスタルエッジ
風野潮著 (YA Entertainment)
講談社 2009年12月出版 

フィギュアスケートに関する本なら、こんなジュニア向けの小説まで読んでいます。
この物語は、登場人物がちょっと多すぎる。シリーズ1作目とかで、これから人間関係を掘り下げていくならおもしろいと思うけど。
桜沢輪...主人公。中2。フィギュアスケートの選手で、父がコーチ。
結城葵...輪の親友で同じスケートクラブの選手。見た目は美少年だが、口が悪くケンカっぱやい。
藤尾千夏...輪の幼なじみ。いつも輪をからかったりする女の子。バレエを習っている。母親がバレエ教室の先生。
小池和真...中1。輪のスケートクラブに入部する。素質のある選手で、輪の家に下宿することになる。
星崎真白...女子選手の有望株。
信兄ちゃん...以前はスケートをやっていたが、怪我が元で今は、漫画家をめざす。父とは断絶状態だが、交通事故に遭ってしまう。
瑠璃...信兄ちゃんの恋人
橘廉太郎...輪の遊び友達で、芸能界をめざしている
瀬賀冬樹...輪や葵のライバルで、天才的なスケーター。
美里祐志...大学生のスケーター。

ざっとこんな感じで、一つ一つのエピソードが深く書き込まれずに展開が進んでいくといった物語です。
しかし最後の大会の様子が、魅力的に描けていて、こんな男子選手のプログラムが今まであったかどうかわかりませんが、あればおもしろいのになと思った。

”オーケストラの音が響き渡り、瀬賀が滑りだす。光沢のあるヒラヒラのブラウスをなびかせて、冷たい空気を切り裂いていく”
”華麗なクラシック音楽に乗って、流れるように難しい技を次々とこなしていく。全日本ジュニアのときほどではないかもしれないが、瀬賀の演技にはやはり光り輝くような華やかさがあった。最初の大失敗を補って余りあるほどのカンペキな出来だった。それなのに、演技を終えてリンクサイドに戻る瀬賀の表情は暗かった。こいつ、どんだけ理想が高いんだろう。”
”イエローにブルーの縁取りの中国風衣装という風変わりでコミカルな服を着ていても、目を伏せて音楽のスタートを待つ葵は女の子と見紛うくらい美しかった。”
”誰よりも高く、大きな軌跡を描いて、葵はトリプルアクセルを成功させた。着氷もきれいに引っかかりなく後ろに流れる。”
”葵の欠点は、体が硬く動きにもなめらかさがなくてぎこちないので、芸術的な評価(旧採点で言うとプレゼンテーション)がどうしても低くなってしまうことだった。だけど、この「少林サッカー」のプログラムなら、手足の動きが直線的でも雰囲気的にOKだった。ステップにもサッカー風のキックや拳法のポーズを取り入れてコミカルにすることで、硬い動きをも演出に見せているのだ。
 まるで空手の型をスケート靴履いたままやってみせたようなストレートラインステップに、客席から歓声と笑いと拍手が起こる。”
”スピンの後、リンク内を「の」の字を描くように滑り、ダブルアクセルの助走に入っていく。左足のアウトサイドエッジに体重を乗せ、勢いよく前へと踏み切った。風を切って体がコマのように回転する。一瞬、自分がつむじ風になったような気がした。すぐに右足に衝撃を感じたと同時に、すぅーっと体が後ろに流れていく。”
”いつのまにか、音楽に乗って全身が躍動していた。なんでもないつなぎの滑りの部分でさえ、ずっとリズムとメロディーを感じていた。今までただタイミングを見計らって腕を上げ下げしていただけのところも、音楽を感じながら動かすだけで表情が生まれる。ただ映画のストーリーを追って演じるだけじゃなく、音を感じながら演じることで、動きの流れが自然になる。”
”いつのまにかリンクが大海原に変わっていた。大きく揺れる帆船の上で、攻めてきた軍の兵士と勇ましく戦う、おれは海賊。剣を突き出し、相手の剣先をかわし、上体を激しく上下させながらひたすら前進する。敵を倒しながら船の甲板の端から端まで進んでいく、渾身のストレートラインステップ。ここがいちばんの見せ場だ。”
”つかみはオッケー”

 ちなみに使用した曲は、瀬賀がラフマニノフの「ピアノ協奏曲2番」で、葵が「少林サッカー」 輪がスッペの「軽騎兵序曲」



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