2014年03月15日

本の感想

「浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく 〜フィギュアスケートの裏側」(生島淳著 2011.11)
タイトルからして選手に失礼な本。
著者はバンクーバー五輪女子ショートで、キム・ヨナ(78.50)と浅田真央(73.78)の点差が4.72で驚いたそうだが、では男子ショート高橋と織田の点差6.48(同じジャンプ構成ノーミス)は別に驚かなかったのか。
バンクーバー五輪の時は、日本のネットで(おもにマオタと嫌韓派)順位は妥当でも点が高すぎるからおかしい、不正があったと発狂したみたいに騒がれた。あの時はキムヨナがノーミスで、2位以下の人がミスしたから、文句なしの優勝。さらに全盛期のヨナはスピードのあるスケーティング、ジャンプの質、表現面で圧倒していた。ついでに書くと、五輪後の世界選手権のフリー、浅田選手は「ノーミスの演技をした上での点数を見たい」と言っていたが、ヨナが2Aと3Sの失敗はありながら、3LZ3Tなどの得点の高いジャンプを決めてPCSは上回ってフリーでは1位だった。2013年ワールドでコストナー選手と浅田選手なら、TESが浅田選手が上でPCSはコストナー選手が上。2010年ワールドは、総合で浅田選手が優勝したから良かったのでは。
私が採点のことで注文したいのは、回転不足と踏切違反の判定は公平に(地元の選手やアイコンの選手に甘くならない)、PCSのあり方についてもう少し明確にしてほしいことです。

世界のトップコレオグラフィーの紹介にディヴィッド・ウィルソンを入れていないところが著者はマオタっぽい。
動画で他のスケーターがヨナと話していたり、ヨナをほめていたりする部分だけ削られているものを見たことがある。なんとかコレクションに、「タイスの瞑想曲」のイナバウアーや、3F3Tを使わない。

最近のフィギュアスケート専門の雑誌や本も、売れないと困るから、キム・ヨナさんのことは、欠点といえないことを無理に取り上げて欠点として書いているように思う。反面、フィギュアスケートが不正のあるスポーツと思われては困るから褒めるところは褒めているといった印象です。海外の実況や記事はヨナ賞賛が多いので、それを現場で接している日本のフィギュアスケート関係者はさすがにおもしろくないのかもしれません。
「誰も語らなかった知って感じるフィギュアスケート観戦術」(荒川静香著 2013.12)
"ヨナは...ステップなどはあまり踏んでいないのでトランジションはあまり高い点数が出ません。”って、トランジションって皆、PCSの5項目の中で低いじゃないですか。’13ワールドフリー、女子で一番トランジションが高かったのは誰? ”苦手なジャンプの前ではスピードが落ちる”っていうのも? ルッツの前が速すぎるだけでフリップやサルコウも他の選手よりスピードがあると思うのだが。

出版界では「嫌中憎韓」の本が売れるらしい。(朝日新聞2014.2.11)
最近、図書館で「アンネの日記」被害がありましたが、フィギュアスケートの雑誌も気をつけてほしい。
インターネットの未来はどうなるか予測できないが、本は後世に残るものだから真実を書いてほしいと思うのですが、誰が何を書こうと一番の真実は演技の映像に残るでしょう。
posted by ホープ at 00:16| Comment(5) | BOOK | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
キム:スケートのお手本みたいな演技は素晴らしい、     でも似たような構成ばかりで守りに入ってる 
   からつまんない(演技の最後はI字スピン
   ばっかだし・・・)
身体が固いのでポジションが汚い

浅田:常に挑戦する姿勢はアスリートとしてのお手本
   でも大事な場面で決められないと意味ない、   
   あと、ジャンプの浅田!みたいなこと言われてる
   けど、そこまでジャンプの実力突出してないし

二人ともまぁそれなりに欠点のある選手なのに、ヨナファンも真央ファンもその事は見えていないみたいで・・・・

フィギュア界はここ数年海外選手の人材不足だったので
欠点ありまくりのこの二人が随分持ち上げられた印象に
あります。(ヨナファン・真央ファンの方すみません)

この二人の共通している不幸は
ファンとメディアに恵まれなかったことですよ・・・
Posted by ぴよ at 2014年03月19日 20:04
ぴよさん、コメントありがとう。
>身体が固いのでポジションが汚い
このことだけ反論すると、ヨナさんは、そりゃ荒川さんやリプニツカヤのような軟体には程遠いですが、かといってビールマンスピンもできない選手(コストナー、中野、鈴木、安藤など)もいるので、ビールマンを長期休養前’11年までは入れていたヨナの柔軟性は全体からみて普通だと思います。
むしろヨナのレイバックスピンで体をそらせて上にあげた手の振付など柔らかさがあってキレイですよ。
Posted by Apfel at 2014年03月20日 22:35
手の振り付けと柔軟性はあんまり関係ないですが
あの柔軟性が【普通】とは恐れ入りました

以前に浅田選手のエッジエラーについて指摘した時も
彼女のファンから「あれはエラーじゃない!他の選手と変わらない!」と総叩きにされたことを思い出しました・・・・

ただ確かにキムヨナの振り付けはメリハリがあって
綺麗なんですよね〜、特に首の動き。
Posted by ぴよ at 2014年03月22日 18:20
こんばんは。

背中の柔軟性については、彼女は韓国の劣悪な環境で成長期を過ごしました。スケート靴のブレードが合わずに背中を痛めたのですが、当時の韓国では靴を治す専門家もいなかったので、2006年にシニア初優勝を飾ったグランプリファイナルでは痛み止めをうち、背中にバンテージを貼りまくって出場したくらいです。

ただ、ヨナさんが背中の故障を感じさせないとしたら、肩の動きだと思います。静止した姿勢から肩を崩すことで推進力を得て滑り出す。あの瞬間がとてもセクシーなんです。あと、なにげに腰を使った動きも綺麗で、背中の硬さを補って有り余る体の使い方ができる選手だと思います。

柔軟性ある選手以上に、柔軟に見せる演技ができる人ではないでしょうか。


ところで、記事の生島さんの本のタイトルですが・・・。

メイクについては、ヨナさんのほうがよほど変えてますよ。「あげひばり」の頃のいたいけな少女っぽさ、バンクーバーの頃のきつい目張りの西洋人が妄想する東洋人美女メイク、そして2003年に復帰して以降の、柔らかな成熟を表現したメイク。

ヨナさんの顔変遷史を辿ってほしいと思いました。






Posted by kai at 2014年03月26日 23:24
ヨナの柔軟性が普通と書きましたが、頭より上に足が上がるなんて一般人から見れば、柔軟性すごいですよ。
今シーズンは、ちょっと辛そうだったかな。
すごい選手でもスーパーマンじゃないから、少し衰えることもある。
kaiさんの書かれている肩の動き、また注目して見てみますね。
私はやっぱり無駄な力を使わないので、スピンやジャンプも柔らかく見えると思います。

Posted by Apfel at 2014年03月27日 00:44
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