2014年03月23日

ヨナの記録

【挑戦】
難しいジャンプを跳ぶことばかりが挑戦ではないと思う。
怖がらずにスピードを出して流れるような着氷のジャンプを跳ぶことも挑戦の一つだ。見た目もキレイだし、加点を得ることもこの競技の戦い方の大きなポイントだ。
ノーミスの演技がどれほど人を感動させるか。傷一つないパーフェクトな演技をめざすことも挑戦だ。
そしてそれらをクリーンに実行できた人を賞賛したい。

【3Lz3T】
日本では女子のトリプルアクセル(8.5)だけが、高難度の技と宣伝されてきたけど、実は3ルッツ3トゥループ(10.10)も難しい技で点数も高いのだ。セカンドのループはほぼ回転不足を取られるので現実味がない。助走なしにセカンドの3回転ジャンプを跳ぶことは難しいのです。
バンクーバーで3Lz3Tを成功させた女子...キム・ヨナ
ソチで3Lz3Tを成功させた女子...キム・ヨナ、ソトニコワ、グレイシー・ゴールド、リプニツカヤ、ポリーナ・エドムンズ

【3-3】
キム・ヨナがシニアに上がって16才から23才までの間に公式戦(GPシリーズ、4大陸、世界選手権、五輪)での3-3の成功は、42試合中、なんと37回。88%の成功率で、これはイチローの打率みたいに、何かで表彰されてもいいくらいのスゴイことではないか。
ちなみにシニア2年目のソトニコワ選手を調べてみると、22試合中、11回成功(50%)今後の活躍を期待してます。

【台落ちなし】
ノービスの時代から出場したすべての試合で台落ちなし。一年の一番大きな大会で、8年間(7回)表彰台に上がり続けた。戦後の女子ではミシェル・クワン(9回)に次ぐ回数です。一度のホームアドバンテージもなく、です。バンクーバーで金メダルを取った後は、モチベーションが下がったり、体の痛いところもあったのに、底力を見せた。
※バンクーバーの時にホームアドバンテージがあったという人もいたけど、カナダでオーサーコーチの教え子だったから人気もあったけれど、地元のロシェットやオズモンドへの声援には負ける。浅田選手も、ずっとタラソワさんの振付で、五輪の時はロシア人のコーチについてもらっていたけど、ソチで何か有利なことがありましたか。ロシアっ子ほど回転不足判定や、PCSも甘くなかったと思う。

【ノーミス】
バンクーバー、ソチ、二つの五輪で、ショート、フリーともにパーフェクト演技をやってのけた。
ジャッジの誰一人もマイナスをつけることがなかった。こんな選手、他にいるだろうか。

【不世出】
ヨナの言葉
「バンクーバー金メダリスト、ソチ銀メダリストより、“私”という選手がいたと記憶されたい」(中央日報2014.2.22)
ええ、もちろん。記録もスゴイけど、私はヨナの表現する世界に夢中になりました。
同じプログラムを2年続けてやることがなかった。毎年、違うイメージの作品の世界観を作り上げ、洗練されたものだった。
スケーティング、ジャンプ、表現力がすばらしい。スピンだってキレイ。
ルックスがいい。頭が良くて性格もいい。こんなに揃っている選手はもう出てこない。
タグ:キム・ヨナ
posted by ホープ at 14:50| Comment(6) | essay | 更新情報をチェックする

2014年03月15日

本の感想

「浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく 〜フィギュアスケートの裏側」(生島淳著 2011.11)
タイトルからして選手に失礼な本。
著者はバンクーバー五輪女子ショートで、キム・ヨナ(78.50)と浅田真央(73.78)の点差が4.72で驚いたそうだが、では男子ショート高橋と織田の点差6.48(同じジャンプ構成ノーミス)は別に驚かなかったのか。
バンクーバー五輪の時は、日本のネットで(おもにマオタと嫌韓派)順位は妥当でも点が高すぎるからおかしい、不正があったと発狂したみたいに騒がれた。あの時はキムヨナがノーミスで、2位以下の人がミスしたから、文句なしの優勝。さらに全盛期のヨナはスピードのあるスケーティング、ジャンプの質、表現面で圧倒していた。ついでに書くと、五輪後の世界選手権のフリー、浅田選手は「ノーミスの演技をした上での点数を見たい」と言っていたが、ヨナが2Aと3Sの失敗はありながら、3LZ3Tなどの得点の高いジャンプを決めてPCSは上回ってフリーでは1位だった。2013年ワールドでコストナー選手と浅田選手なら、TESが浅田選手が上でPCSはコストナー選手が上。2010年ワールドは、総合で浅田選手が優勝したから良かったのでは。
私が採点のことで注文したいのは、回転不足と踏切違反の判定は公平に(地元の選手やアイコンの選手に甘くならない)、PCSのあり方についてもう少し明確にしてほしいことです。

世界のトップコレオグラフィーの紹介にディヴィッド・ウィルソンを入れていないところが著者はマオタっぽい。
動画で他のスケーターがヨナと話していたり、ヨナをほめていたりする部分だけ削られているものを見たことがある。なんとかコレクションに、「タイスの瞑想曲」のイナバウアーや、3F3Tを使わない。

最近のフィギュアスケート専門の雑誌や本も、売れないと困るから、キム・ヨナさんのことは、欠点といえないことを無理に取り上げて欠点として書いているように思う。反面、フィギュアスケートが不正のあるスポーツと思われては困るから褒めるところは褒めているといった印象です。海外の実況や記事はヨナ賞賛が多いので、それを現場で接している日本のフィギュアスケート関係者はさすがにおもしろくないのかもしれません。
「誰も語らなかった知って感じるフィギュアスケート観戦術」(荒川静香著 2013.12)
"ヨナは...ステップなどはあまり踏んでいないのでトランジションはあまり高い点数が出ません。”って、トランジションって皆、PCSの5項目の中で低いじゃないですか。’13ワールドフリー、女子で一番トランジションが高かったのは誰? ”苦手なジャンプの前ではスピードが落ちる”っていうのも? ルッツの前が速すぎるだけでフリップやサルコウも他の選手よりスピードがあると思うのだが。

出版界では「嫌中憎韓」の本が売れるらしい。(朝日新聞2014.2.11)
最近、図書館で「アンネの日記」被害がありましたが、フィギュアスケートの雑誌も気をつけてほしい。
インターネットの未来はどうなるか予測できないが、本は後世に残るものだから真実を書いてほしいと思うのですが、誰が何を書こうと一番の真実は演技の映像に残るでしょう。
posted by ホープ at 00:16| Comment(5) | BOOK | 更新情報をチェックする

2014年03月07日

ソチ エキシビション

☆ヴァーチュ&モイア ”Stay”
 ヨナのEXと同じようにヴァーチュモイアのEXも全部好き。(バンクーバー前は知らない)
選曲が好みで、1回目見た時は派手さはないけれど、何回か見ても飽きずに逆にひきつけられるところが共通点かな。それとも元からファンだからそうなるのでしょうかね。
今回のは、小劇場の二人芝居みたいで、かつスケーティングの妙をつくしたもの。
どんな歌詞なんだろうと知りたくなったので、こちらのサイトをリンクさせて頂きました。

☆パトリック・チャン ”Steppin' Out With My Baby”
 「エレジー」とかよりも、ジャズやポップスで滑る方が彼の巧さ、表現も光ってカッコイイです。

☆カロリーナ・コストナー ”シェヘラザード”
 コストナー選手も立っているだけで絵になる人。ギュスターヴ・モローの絵みたい。

☆マオ・アサダ ”スマイル”
 爽やか。ローリー・二コルは真央ちゃんにいつも素敵なプログラムを作っていますね。引退したらローリーXヨナとか、ウィルソンX真央とかの組み合わせも見てみたい気がする。ゴールドの衣装も、ひらひらのスカートよりタイトなスカートの方が女子をかっこよく見せます。

☆デイヴィス&ホワイト ”ラフマニノフ/ピアノ協奏曲2番2楽章”
 ちょっと振付がヴァーチュモイアの”アダージェット”の二番煎じっぽい。
この曲はアメリカ人の彼らが、かつて冷戦で対立したロシアの五輪で、友好のために捧げようとしたもの。
ヨナの”イマジン”は平和のメッセージがあるし、鳥海アナは月並みな感想「美しい」とか言ってるより、曲の選んだ理由とか選手のメッセージを伝えてほしかった。 

☆キム・ヨナ ”イマジン”
 ヨナの演技は雰囲気とかじゃなくて、緩急をつけられるところが女子でピカイチだと思う。
野口美恵さんによると「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」(週刊現代2月16日) 今やフィギュアスケートの専門誌より、大衆週刊誌でヨナの見どころを知るなんてね。

おまけgif
”Fever”
fever.gif
なんと表現していいかわからないけど、何かが憑依したような感じ? 

”All of Me"
allofme.gif
この足さばきがカッコイイ。
タグ:Competition
posted by ホープ at 00:59| Comment(0) | competition | 更新情報をチェックする

2014年03月03日

採点について

ソトニコワ選手とキム・ヨナ選手の基礎点の差は、ショートとフリー合わせてわずか2.94だった。それぐらいの差だったら、どちらもノーミスの場合、ベテランの選手がPCSで勝つのがこの競技の常識ではなかったか。
実績の高いベテラン選手、あるいはスケーティングが上手といわれる選手がミスをしてもPCSが高い例
2013世界選手権男子フリー 
パトリック・チャン(TES82.13 PCS89.28)
デニス・テン(TES87.76 PCS87.16)
ショート 
パトリック・チャン(TES52.70 PCS45.67)
デニス・テン(TES50.81 PCS40.75)
↑二人ともノーミスだとPCSの差は開く
2012NHK杯女子フリー
浅田真央(TES52.78 PCS64.54)
鈴木明子(TES64.1 PCS62.11)

今回はソトニコワのPCSが急上昇して、ヨナとの差はたったの0.9点差に迫るゴリ押しだった。

ステップのレベルもショートでレベル4だったのは、ソトニコワと鈴木選手の二人だけで、ヨナは国内選手権の時レベル4だったが、五輪ではショート、フリーともレベル3に落とされた。ステップの判定が妥当かどうか私はわからない。ヨナは4大陸に出てレベルチェックして対策をとればよかったが、ケガもあり無理できなかった。

フリップの加点もソトニコワの方がヨナより上(ショートで0.1 フリーで0.3)? ソトニコワのジャンプは高いと思うけど、高く上がりすぎるジャンプってあんまり着氷が流れないでドスンと降りてくる感じ。

その他、いろいろな疑問を海外の人が動画にまとめて作っていました。


感性にかかわる部分を人や国と争う競技というものがイヤになった。
NHKの解説で八木沼さんがキムヨナの「中盤から後半にかけて微妙に元気がないというかスピード面で」とか言っていたけど、私にはソトニコワの方がコレオでバテていたように見えた。
NHKの実況もCBCのようだったら、印象も変わる。
ロシアでなければ、カタリーナ・ヴィット以来の2連覇も達成できたのにと思うと残念だ。
キム・ヨナは「もう終わったことだ」と採点を受け入れているし、判定が覆ることはないだろうけど、今後のフィギュアスケートという競技のためにも問いただしておくことも大事かと思う。
金メダルをとった選手も地元上げで勝ったんだろうと一生、言われたくないと思う。
タグ:essay index
posted by ホープ at 18:26| Comment(2) | essay | 更新情報をチェックする